「ラーメンを食べるために1時間待ち…… でも食べたい!」
日本人(特に男性)なら誰しもが経験したことがあるでしょう。
ラーメン二郎なんて平日の昼間に行っても大行列です(笑)
そして行列に耐えた後のラーメンは本当に美味しいものです。
もちろんラーメン自体最高の一品ですが、実は「行列に並んだ」という事実がスパイスになっているかっもしれません。
今日は心理学の世界から「なぜ行列のできるラーメン屋はうまいのか」を考察していきましょう。
【ここがポイント】
✓「 並んだからうまい」が起こる理由が分かる
✓ 人間は日常的に一貫性を求めている
✓ あなたにも当てはまる?一貫性の落とし穴
✓ 行列は最高のスパイス
物事に対して一貫性を求める私たち
一貫性の原理とは?
一貫性の原理の概要をwikipediaから引用します。
人は自身の行動、発言、態度、信念などに対して一貫したものとしたいという心理が働く。この心理を「一貫性の原理」と呼ぶ。この心理の根底には、一貫性を保つことは社会生活において他者から高い評価を受けるという考え、複雑な要因の絡み合った社会生活での将来的な行動決定においてより簡易に行動を決定することができるなどの要因があるといわれる
wikipedia | 一貫性の原理
要するに 人間は行動と考えを一致させたい生き物 であるということです。
「あの人は言葉だけで行動が伴っていないよね」と揶揄されるのは、人々が一貫性を求めている証拠です。
私も物事が一貫していないと気持ち悪く感じてしまいます。
推測ですが、年功序列で組織が体系的な日本では一貫性の原理が働きやすい環境でしょう。
一貫性を求めることは組織で生きるために必要な本能とも言えます。
時間を捧げた分ラーメンが美味しくなければ都合が悪い
先ほどのラーメンの事例で考えてみましょう。
例えば真夏の昼間に1時間かけてラーメン屋の行列に並んだとします。
炎天下の行列。それはそれは地獄の1時間です。
そしてようやく店内に入って食券を買いカウンター席に着きます。
ついに……
この瞬間のために生きてきたんだよな!!!
最高だぜ!!いただきます!!
ん?味は普通だな。
~店を後にする~
さっきのラーメンは本当に美味しかった!
並んでまで食べた甲斐があったな~!満足!
1度はこのような経験をしたことあるでしょう。
これこそ典型的な一貫性の原理が働いている事例です。
脳は「たくさん並んだ」=「ラーメンは美味しい」を貫きたい
我々の脳は不都合を嫌います。
せっかく1時間も待ったのに不味いラーメンだったら嫌ですよね。
その結果私たちの脳は 行動と信念を一貫させよう とします。
そのほうがストレスが少なく、脳への負担が軽くなります。
そして私たちは 「行列に並んだラーメンは美味しかった」と自己を納得させるのです。
*もちろん行列のできるラーメン店は本当に美味しいところがほとんどですよ*
我々は日常的に一貫性のバイアスにかかっている
*バイアス = 偏見や思い込み、先入観*
仕事
誰しもが仕事は効率的であった方が良いと思っているでしょう。
しかし、日常の業務を常に改善していこうと考えている人は少ないと思います。
理由は「今やっているやり方 = 最善の方法」という一貫性を持たせたいからです。
業務の改善を提案しても、なんだかんだ理由をつけて却下してくる上司は一貫性のバイアスにかかっている可能性が高いです。
自分はそんなことないと思ってる人ほど一貫性のバイアスにかかっている可能性が高いです。
一貫性の原理は知らぬ間に働いているので、期間を決めて自分自身を振り返ることが大切です。
恋愛
恋愛の場面でも一貫性の原理が働く場面があります。
例えば異性からこのような誘いを受けたらあなたならどうしますか?
今度2人で飲みに行かない?
日ごろから2人で居酒屋に行く関係なら良いですが、いきなり異性からこのような誘いを受けると気が引けてしまう確率が高いですよね。
意中にない異性ならなおさらです。
次にこのような誘いならどうでしょうか?
今度○○さんも誘って3人で飲みに行こうよ!
この場合、誘ってきた人が相当嫌いな人でなければ誘いに乗ってもいいと考えると思います。
しかし予定していた日の前日にこのようなことを言われたらどうしますか?
その日○○さん、急用ができて行けなくなっちゃったらしいんだ。
もしよければ2人で飲みに行かない?
相手が好きな人であれば即答すると思います。
しかし相手が意中の人でなくても行ってあげてもいいかな程度に考えてしまう可能性があります。
(もちろん言い方や場面にもよりますが。)
2人で飲みに行くという同じ結果ですが、後者の誘いの方が成功しやすく感じませんか?
恋愛にも 自分の行動を一貫させたいという心理を突いたテクニック があるのです。
お金
人々の経済活動にも一貫性の原理が働いている場面があります。
代表的なものが映画館で見る映画です。
映画館で映画鑑賞している際に途中退出する人はごく稀でしょう。
どんなに退屈な映画でも「代金を払って観ると決めた映画 = 最後まで鑑賞する」という一貫性が働いてしまいます。
一貫性の原理の落とし穴
独りよがりな行動でめちゃくちゃに
無意識のうちに人々は一貫性を求めてしまいます。
そんな無意識の領域で起こる心理状態だからこそ、誰しもが普段から気にしなければいけません。
一貫性を求めた結果、他人の意見に耳を傾けなくなる可能性 が高くなります。
素直にアドバイスを聞けない人は要注意!
まずは相手の意見を聞くところから始めましょう。
✓ 人の意見が聞けなくなる
✓ 周りから孤立する
✓ 非効率な手段に固執してしまう
✓ 自分だけでなく相手も傷つけてしまう可能性
対策はメタ認知で客観的に自分をみること
知らぬ間に一貫性を求めて周りの人を振り回しているのではないかと不安になった方に提案です。
知らないうちに嫌な自分にならない方法があります。
それが メタ認知 です。
リーダーシップの話題でも触れたので、詳しく知りたい方はこちらもどうぞ!
>>> メタ認知について詳細を知りたい人はコチラから <<<
簡単に言うとメタ認知とは 客観的に自分自身を観察すること です。
自分が今どのような状況でどのような感情であるかを客観的に認知するのです。
メタ認知さえマスターしてしまえば、本当に自分が取るべき選択が見えてくるでしょう。
自分自身にイライラすることも減るのでお勧めです。
ラーメン屋の行列は最高のスパイス
最後まで読んでくれた方なら伝わると思いますが、ラーメン屋にとって行列は都合のいいことなのです。
お客さんからラーメン自体のクオリティが問われるのはもちろんですが、一貫性の原理はリピートにも影響します。
一貫性の原理を知っておくだけで、あなたの日常は大きく変わるはずです。
ぜひ身近な心理学として意識してみてください!
ブログを最後まで読むという行為も一貫性の原理が働いているのかもしれませんね!!(笑)
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