【社会心理学】囚人のジレンマの観点から飲食店時短要請問題を考察してみた|緊急事態宣言との付き合い方

マインド・心理系

みなさんはもう新型コロナウイルスのワクチンを接種しましたか?

接種していない方には様々な理由があって、未だ接種できていないのだと思います。

緊急事態宣言によって飲食店は時短営業、酒類提供禁止など様々な規制を受けています。

しかし飲食店の中でも、深夜まで酒類を提供しているお店もあります。

いったいなぜでしょうか。

 

Naoya
Naoya

今日は緊急事態宣言下の飲食店を例に、社会心理学で有名な「囚人のジレンマ」を解説していきます。

無意識のうちに日常的に非合理的な考え方をしているかもしれないという気づきができれば幸いです。

 

【ここがポイント】

✓ 「囚人のジレンマ」とはなにかが分かる

✓ 緊急事態宣言下における合理的な選択を考えることができる

✓ 日常の選択を見直すきっかけになる

✓ 全体に利益をもたらす選択と個人に利益をもたらす選択の乖離に気づける(ナッシュ均衡とパレート最適)

  

リスクフリーで他者の恩恵を受けるフリーライダーの問題も記事にしています。

コロナ禍で急増中のフリーライダーに関して考えるきっかけになったら幸いです。

>>> ワクチン接種で問題になっているフリーライターとは? <<<

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囚人のジレンマとは

ゲーム理論の中で有名な囚人のジレンマ

社会心理学や経済学など幅広い分野で活躍するゲーム理論というものがあります。

その中でゲーム参加者の選択にバイアスがかかる現象を「囚人のジレンマ」が証明しました。

囚人のジレンマとは お互い協力する方が協力しないよりもよい結果になることが分かっていても、協力しない者が利益を得る状況では互いに協力しなくなる現象 のことです。

 

Naoya
Naoya

学校の大掃除はみんなでやった方が早く綺麗になります。
しかし、めんどくさいし誰かが綺麗にしてくれるからという理由でサボった経験のある人はいませんか?

 

囚人に対して行われた司法取引

さて利害関係が人々の選択にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

Naoya
Naoya

ここからとある検事と2人の囚人の話し合いに移ります。
みなさんもどの選択が囚人たちにとって一番合理的なのか考えながら読み進めてください。

 

共犯の罪で問われた2人の囚人がいました。(以後、囚人Aと囚人Bと表記)

担当していた検事は彼らを自白させるためにとある司法取引を持ちかけました。


検事:「お前らは懲役10年の罪に問われている。しかし一部証拠が不十分なため2人とも黙秘を続ければ懲役5年の罪に減刑されるだろう。」

検事:「ここで取引だ。もし君がここで自白すればこの場で釈放してやろう。しかし黙秘した方は懲役20年にする。」

囚人A:「(自白すれば釈放…!? でもあいつを裏切らなければならないのか….)」

検事:「そして2人とも自白した場合、お前らは判決通り懲役10年とする。」

囚人A:「少し考える時間をください。」

囚人Aの立場に立って考えてみよう

まずは話を分かりやすくするために囚人AとBの選択と結果を表にしてみます。

囚人B 黙秘囚人B 自白
囚人A 黙秘(5年,5年)(20年,0年)
囚人A 自白(0年,20年)(10年,10年)
囚人の選択と懲役年数

 

囚人Aはまずお互いに黙秘を続けることが一番互いのためになる選択だと考えます。

しかし、もし囚人Bが裏切り自白した場合、自分が20年の懲役を受けなければならない恐怖に陥ります。

さて、囚人Aにとって自分の利益を守るためにはどのような選択をすればよいのでしょうか。

 

Naoya
Naoya

もしあなたが囚人Aの立場だとすればどのような選択をとりますか?
次の章に行く前に今一度考えてみてください!

全体の利益と個人の利益の溝に潜むジレンマ

さて、あなたが囚人Aだった場合どのような選択をするか決まりましたか?

囚人Aが自分の利益を守るための選択肢は何でしょうか。

 

正解は、自白すること です。

 

Naoya
Naoya

あれ??お互いに黙秘を続ければAもBも5年で出られるんじゃないの?
もしお互いに自白したら求刑通り10年になっちゃうじゃん!

 

勘のいい方は気づいたかもしれませんが、この選択は囚人Bも同様です。

つまり、囚人AとBが互いに利益を守るためにとるべき選択は 互いに自白すること なのです。

お互いに5年で出所できる黙秘が2人にとってなぜ非合理的な選択になってしまうのでしょうか

囚人Aの立場で損得を考えてみよう

囚人Aが自分の利益を追求した場合の選択肢をひとつずつ考えてみます。

【Aの選択肢】

・Bが黙秘した場合 : Aの選択→黙秘して懲役5年 or 自白して懲役0年
自白することが合理的

・Bが自白した場合 : Aの選択→黙秘して懲役20年 or 自白して懲役10年

自白することが合理的

Aが自分の利益を追求する限り Bがどのような行動をとるかに関わらず自白することが最適な選択 ということになります。

これは囚人Bにも同じことが言えます。

・囚人AもBも救われる選択肢(みんなに利益をもたらす選択)は黙秘すること。(パレート最適)

・囚人が各々の利益を追求した選択は自白すること。(ナッシュ均衡)

  

このように 個人が利益を追求した場合、全体にとって利益になる選択が選ばれなくなること を囚人のジレンマと言います。

Naoya
Naoya

「パレート最適とナッシュ均衡はいつでも一致するとは限らない」ということを表現したものが囚人のジレンマというわけです。

時短要請された飲食店を例にとって考察してみる

現在東京などの主要都市では緊急事態宣言が出されており、飲食店に対して時短要請や酒類提供禁止が求められています。

飲食店にとってどのような選択が最適だったのか囚人のジレンマを参考にして考えてみます。

 

Naoya
Naoya

やっと本題です。
今回の意見は私一個人の意見なのでみなさんの意見も聞かせてほしいです。

時短要請、酒類提供禁止における利得表

先ほどの囚人の例を参考に飲食店における利得表を作ってみます。

選択は 「要請に 応じる/応じない」

参加者は居酒屋Aと居酒屋Bにします。

営業利益をベースに考える

今回は前提として居酒屋A、Bともにコロナ前の売り上げが同じ(10万円)だったと仮定します。

 居酒屋A、Bが要請に応じた場合と応じなかった場合の月の見込み売り上げは以下の通り。

 

居酒屋B 応じる居酒屋B 応じない
居酒屋A 応じる(5万円,5万円)(2.5万円,15万円)
居酒屋A 応じない(15万円,2.5万円)(10万円,10万円)
月の見込み売上

✓ 要請に応じた場合 → 営業利益が半分になると仮定

✓ 一方が要請に従わなかった場合、従わなかった店の売り上げは1.5倍になると仮定

✓ 一方が要請に従わなかった場合、従った店の売り上げは1/4になると仮定

 

ここに独自で出した感染リスク係数を掛けると利得表(見込み売上)は以下のようになる。

居酒屋B 応じる居酒屋B 応じない
居酒屋A 応じる(7.5万円,7.5万円)(3.75万円,7.5万円)
居酒屋A 応じない(7,5万円,3.75万円)(5万円,5万円)
感染リスクを考慮した見込み売上

【感染リスク係数】

要請に応じた場合 → 「係数1.5」

要請に応じなかった場合 → 「係数0.50」

Naoya
Naoya

感染リスク係数は、感染症対策への貢献度を独自に数値化しました。
雇用調整助成金や評判などを数値化しました。

店の利益を追求するとジレンマに陥る

先ほどの利得表で みんなに利益をもたらす選択(パレート最適)個人の利益を追求する選択(ナッシュ均衡)は以下のようになります。

居酒屋B 応じる居酒屋B 応じない
居酒屋A 応じる(7.5万円,7.5万円)(3.75万円,7.5万円)
居酒屋A 応じない(7,5万円,3.75万円)(5万円,5万円)
感染リスクを考慮した見込み売上

赤字 → パレート最適
青字 → ナッシュ均衡

 

前の章で紹介した囚人のジレンマのように、居酒屋の営業利益を考慮すると、多店舗がどのような選択をとっても「要請に応じない選択」が最適解になってしまいます。

Naoya
Naoya

一時期緊急事態宣言が出されたころは多くの飲食店が自粛していましたが、最近では要請に応じない店舗が増えてきた気がします。

感染リスクをいかに考慮していくかが問われる

やられたらやり返すで感染爆発

昔から囚人のジレンマ問題の最適解は何なのかたくさんの議論がされてきました。

その中で、囚人のジレンマ問題が起こった際に最適な戦略とされているのが「しっぺ返し戦略」です。

囚人の例では黙秘することを「協調」、自白することを「裏切り」としました。

しっぺ返し戦略とは、相手が前回だした手と同じ手を出すことです。

 

Naoya
Naoya

1ターン目:相手「同調
2ターン目:相手「裏切り」、自分:「同調
3ターン目:相手「同調」、自分:「裏切り

このようにビジネスなどあらゆる場面でやられたらやり返す戦略は合理的とされてきました。

 

しかし、今回の飲食店時短要請問題でしっぺ返し戦略を取ると大規模な感染爆発を起こします。

裏切りを起こしても長期的にみると参加者全員損をしてしまうのです。

居酒屋B 応じる居酒屋B 応じない
居酒屋A 応じる(感染リスク減少)(感染リスク増加)
居酒屋A 応じない(感染リスク増加)(感染爆発)

他店舗が要請に応じなかった場合、戦略では次の要請時には応じない手を取ります。

今まさに日本中の飲食業界で起こっていることではないでしょうか?

やられたらやり返す戦略ではコロナ禍は長期的になり、将来的な負担が増すことでしょう。

対策はあるのか

最適解とされるしっぺ返し戦略でも太刀打ちできない時短要請にどう向かい合えばいいのか。

私が考える戦略は 「ペナルティを大きくする」「協力時の利益を大きくする」「同調圧力を掛ける」です。

以前東京都が取ったような緩い戦略ではなく、罰金、休業補償、ワクチン接種の有無など腰を据えた堅い政策が必要だと思います。

(独裁的な政策にならない範囲でですが。)

今できることは冷静に情報を見極めること

飲食業界に携わる全ての人が今回のコロナ禍で影響を受けたはずです。

経済状況もそれぞれ異なり、営業しなければ自分が終わってしまうというお店も多いはず。

我々が今できることは 情報収集能力を高めて使える保障はすべて使い切ること です。

雇用助成金、事業再構築補助金など前例を見ないレベルで政府はお金を刷り続けています。

 

Naoya
Naoya

節税のように知らない人が損をする社会です。
支援を受けるべき時は素直に受けるべきだと思います。

 

今回紹介した囚人のジレンマ問題があなたの日常の選択肢を変えるきっかけになったら嬉しいです。

今取っている戦略が本当に将来の自分のためになっていますか?



コメント

23歳。社会人2年目。

夢はビールを中心とした村を作ること

好きなものは、ラーメンと寿司。もちろんお酒も好き。
最近感動したことは、奄美大島でみた朝日。
好きな言葉は「質実剛健」。

インスタも積極的に更新中!

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