第4回目のペアリングは さくらもち です!
「まさか和菓子にお酒を合わせるなんて」と思ったそこのあなた!しっかりお酒を選べば和菓子でもペアリングすることができます。
さて、この酒のアテにピッタリなお酒はなんでしょう?
和菓子で酒を飲むなんてけしからん。
と思った人こそお試しあれ!
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ペアリングには 規則性 があります。
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「今日は桃のカプレーゼを作ったよ。この日本酒と合わせてみて。」
こんなイケメンなセリフを言えるようになります。モテます!!
カトさん
SAKE商人
2025年に群馬県の酒屋に転勤予定。
東京の酒屋で提案営業活動。ペアリングをベースとした提案が得意。
J.S.A. ワインエキスパート
ワインと日本酒が好き
さくらもちの味わいは地域で異なる?
あんこの甘みと程よい塩味が効いた桜の葉のニュアンス。春の訪れについつい食べたくなる和菓子ですよね。
実は同じ桜もちでも 関東と関西でスタイルが異なります !
桜の葉で包むことは変わりませんが、食感や味わいが多少異なるので、まずは東と西でどのような特徴があるのかみていきましょう!
東日本と西日本で桜もちのスタイルが違う。
某カップうどんも東と西でスープの味わいが違ったような…
関東風桜もち(長命寺)
- 特徴
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小麦粉や白玉粉を使った薄い生地が特徴。見た目はクレープに近い。塩漬けにした桜の葉を使う。
- 食感
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記事がもちもちで柔らかい食感を楽しめる。生地が薄いため、あんこの甘さをより感じることができる。
あんこの甘さと桜の葉の塩気が絶妙なり。 - 長命寺の由来
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東京都墨田区にある長命寺が発祥(諸説あり)
関東風と言いながら東京在住の私は関西風の方がよく見るような…
関西風桜もち(道明寺)
- 特徴
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もち米を蒸して乾燥させ粗く砕いた道明寺粉を使い、粒感を残したもちもちの生地であんこを包む。塩漬けにした桜の葉を使う。
- 食感
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もち米の粒感があり、食べ応えがある。もちもち、つぶつぶ。
あんこの甘さと桜の葉の塩気が絶妙なり。 - 長命寺の由来
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大阪府藤井寺市にある道明寺が発祥(諸説あり)
関東風がクレープっぽい生地であるのに対し、関西はおもちっぽい生地ですね!個人的には関西風が好き。なんだよな〜。
日本酒&ワイン 脳内マリアージュ
さて、ここからが本番でっせ。
桜もちを ロジカルにペアリング していきましょう。
ロジカルにペアリングを考えるためには、素材の要素をしっかりとまとめる必要があります。桜もちの味わいを一緒にまとめていきましょう。
論理的にペアリングを考える時は先入観を捨てて、フラットに考えることが重要だよ。
桜もちのペアリング要素を知ろう
五味+αで桜もちを評価していきましょう。
何か尖った要素がないか。少ない要素がないか。
臭みや脂感など感じ取れる要素を振り絞ろう。
桜もちの要素を考えよう
私にとって桜もちはこんな感じ。
多かれ少なかれ、ほとんどの人は同じような感覚に行き着くはず。
もちもちでやや桜の葉の塩みを感じる桜もち。ペアリングは素材の質感を抑えることも重要です。なにやら酸を補いたくなるチャートですね。
- 甘味
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まず感じるのは中のあんこの甘みです。その後に白玉粉や米粉由来の甘さを感じることができます。
- 酸味
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酸味は感じないでしょう。
- 塩味
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塩漬けの桜の葉からほど良い塩気を感じます。
- 苦味
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桜の葉を食べなければほとんど感じないでしょう。
- 旨み
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あんこの旨みを感じます(甘みの方が強いので感じにくいですが)
さらに口の中でとろけていく粉物の旨みがあります。 - 渋み
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桜の葉を食べなければ渋みはほとんど感じられないでしょう。
- 脂質
-
ほぼなし
- その他
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程よい甘みと程よい塩気のバランス抜群。もちもち食感。
ペアリング考える上で重要なこと
上手なペアリングは下記の要素が満たされていることが多いです。
- 同調効果
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五味の味わいの同調を目指し、相乗効果によって余韻を伸ばす。
- 中和効果
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突出した味に対して抑制効果をうむ。別の味とのコントラストでバランスを取る。
- 五味の一体感
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味わいを差し込んだり補佐することで余韻を伸ばす。
- フレーバーの一体感
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香りによって余韻を伸ばす。新たなハーモニーを生み出す。
- テクスチャーの一体感
-
料理とドリンクの質感を意識したペアリング。
参考:ロジカルペアリング 大越基裕
リンク
桜もちのペアリング要素は抑えられましたか?
それではロジカルペアリングを開始していきましょう!
【ロジカルにペアリングを考える】
5つのペアリングの基本的な考え方と食事の基本要素を書き出す
ペアリングの基本
・同調効果
・中和効果
・五味の一体感
・フレーバーの一体感
・テクスチャーの一体感
JAPANESE SAKE 日本酒 部門
程よく濁ったオリがらみが合うんじゃ
おりがらみのフレッシュな印象と柑橘系を彷彿とさせる香り。桜の葉由来の香りと相乗効果をもたらします。
→ ペアリング要素 同調効果、フレーバーの一体感
米由来の濁りのボリューム感がもちもちの桜もちのテクスチャーにぴったりですね。
→ ペアリング要素 テクスチャーの一体感
筆者脳内ペアリングおすすめSAKE
たかちよシリーズは季節に合わせて様々な限定品をリリースしています。季節性の強い濁りをぜひお試しください。
マスカット香を持った吟醸酒
マスカットを彷彿とさせる日本酒業界でトレンディな香り成分4MMPを持った吟醸酒を合わせてみてはどうでしょう。4MMPはソーヴィニヨンブランでも感じられる青々しいフレッシュな香りです。香りを合わせるペアリングとして最高でしょう!
→ ペアリング要素 フレーバーの一体感
筆者脳内ペアリングおすすめSAKE
こちらからチェック!
限定流通のため、超入手困難酒かも!
日本酒業界を担う若手のホープとも言える蔵です!!
WINE ワイン 部門
熟成のかかったソーヴィニヨンブラン
ソーヴィニヨンブランの青々しい香りが桜の葉由来の香りとマッチします。澄み渡るような香りのペアリング。
→ ペアリング要素 フレーバーの一体感
また、熟成をかけることによって、コクがあり、角が取れた南国フルーツのようなニュアンスが餡子を包み込んでくれます。なんと贅沢なペアリング。
→ ペアリング要素 五味の一体感
筆者脳内ペアリングおすすめSAKE
ちょっと高いけど、日頃のご褒美に…
本日のペアリング総評
第4回目はちょっと意外性のある和菓子とのペアリングをお届けしました。ぜひ参考にしてください!
私的には ワインとペアリングしてみたいね!という結論に至りました。
もちろんペアリングやマリアージュは無限大の可能性を秘めているので、これという正解はありません。今回の桜もちに焼酎を合わせるというのも、もちろん正解だと思います。
論理的なペアリングをするときに大切なのは、食事とドリンクの構成要素を捉える努力をすること です。私もまだまだ経験不足な一面があります。その分、つまみを作る時はペアリングを頭の中で考えるクセをつけています。
皆さんの脳内ペアリングの結果もお待ちしてます。それではまた次回の脳内ペアリングで!
【俺流結論】
和菓子×ワインとのペアリングをもっと探りたい。
ペアリングの基礎が学べる書籍
\この本はガチおすすめ/
レストランにすっかり定着したドリンクペアリング。スタッフの感覚やワインのストーリーに頼ったセレクトになりがちですが、「ロジック(=論理)で合わせる」ことを意識すると、より精度の高い組合せが可能になります。
本書ではペアリングの第一人者である著者が、五味を基本に、アルコール分やフレーバーなどドリンク特有の要素も加味して組み立てるペアリング方法を紹介。実際のレストラン営業を前提に、誰もが論理的に最適解にたどり着ける手法を、イラストも豊富にわかりやすく解説します。
柴田書店HPより