第3回目のペアリングも 蟹(カニ) です!
冬の贅沢品で年末年始に食べたくなるカニ。焼いても茹でても鍋にしても絶品ですね。
さて、この酒のアテにピッタリなお酒はなんでしょう?
今回は 調理別でペアリングを解説 します!
この記事ではカニしゃぶに着眼します。
蟹の中でもズワイガニでペアリングを考えていきます。前回の焼きガニ編も要チェック!
関連記事の焼き蟹編も要チェック!
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ペアリングには 規則性 があります。
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「今日は桃のカプレーゼを作ったよ。この日本酒と合わせてみて。」
こんなイケメンなセリフを言えるようになります。モテます!!
カトさん
SAKE商人
2025年に群馬県の酒屋に転勤予定。
東京の酒屋で提案営業活動。ペアリングをベースとした提案が得意。
J.S.A. ワインエキスパート
ワインと日本酒が好き
日本で流通している主なカニの種類(復習)
カニにも様々な品種が存在します。
ズワイガニ、タラバガニ、渡り蟹、毛ガニなどスーパーや市場で売っている有名どころはこんな感じでしょうか。
せっかくの贅沢なカニを不適切な調理法で食べてしまっては勿体ない!
簡単にカニの種類別に味わいをチャート化した記事を公開しています。
ペアリング第2話で解説していますのでまずはそちらをチェック!
今回、蟹しゃぶに選ばれたのは ふるさと納税で買ったズワイガニ です。
カニの種類別で味わいを解説した記事
簡素版:カニの味わい比較表
今回のペアリングはしゃぶしゃぶに適したズワイガニを使っていきます。
日本酒&ワイン 脳内マリアージュ
さて、ここからが本番でっせ。
カニしゃぶを ロジカルにペアリング していきましょう。
ロジカルにペアリングを考えるためには、素材の要素をしっかりとまとめる必要があります。カニしゃぶの味わいを一緒にまとめていきましょう。
論理的にペアリングを考える時は先入観を捨てて、フラットに考えることが重要だよ。
カニしゃぶのペアリング要素を知ろう
五味+αで蟹しゃぶを評価していきましょう。
何か尖った要素がないか。少ない要素がないか。
臭みや脂感など感じ取れる要素を振り絞ろう。
カニしゃぶの要素を考えよう
私にとって蟹しゃぶはこんな感じ。
多かれ少なかれ、ほとんどの人は同じような感覚に行き着くはず。
しっとりぷりぷりの蟹しゃぶ!
素材の食感を抑えておくことも非常に大切。
- 甘味
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ズワイガニは蟹の中でも身の甘みが豊富です。
食感もぷりぷりで素材の甘さを十分に感じ取れます。 - 酸味
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カニ自体に酸味の要素はありませんが、ポン酢や醤油をつけタレとすることで酸味を補うことができます。
- 塩味
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荒々しい海で育ったミネラル味をやや感じ取れます。
- 苦味
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ほとんど感じないでしょう。
- 旨み
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特に旬の時期は旨みたっぷりです。湯を通し身が引き締まることによってさらに旨みが凝縮します。
- 渋み
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渋みはほとんど感じられないでしょう。
- 脂質
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ふっくらとしてジューシーなカニの繊維を感じることができます。
- その他
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しっとりぷりぷりのニュアンスとテクスチャー
ペアリング考える上で重要なこと
上手なペアリングは下記の要素が満たされていることが多いです。
- 同調効果
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五味の味わいの同調を目指し、相乗効果によって余韻を伸ばす。
- 中和効果
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突出した味に対して抑制効果をうむ。別の味とのコントラストでバランスを取る。
- 五味の一体感
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味わいを差し込んだり補佐することで余韻を伸ばす。
- フレーバーの一体感
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香りによって余韻を伸ばす。新たなハーモニーを生み出す。
- テクスチャーの一体感
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料理とドリンクの質感を意識したペアリング。
参考:ロジカルペアリング 大越基裕
リンク
蟹しゃぶのペアリング要素は抑えられましたか?
それではロジカルペアリングを開始していきましょう!
【ロジカルにペアリングを考える】
5つのペアリングの基本的な考え方と食事の基本要素を書き出す
ペアリングの基本
・同調効果
・中和効果
・五味の一体感
・フレーバーの一体感
・テクスチャーの一体感
JAPANESE SAKE 日本酒 部門
カニ由来の甘味を生酛でブーストさせる
カニ由来の豊かな甘みとリッチな味わいを活かすコクのある生酛づくりがおすすめ。余韻を長くします。
→ ペアリング要素 同調効果
また、生酛づくりによって生み出される豊富な酸が蟹しゃぶに足りない酸味の要素を補います。
→ ペアリング要素 五味の一体感
筆者脳内ペアリングおすすめSAKE
こちらからチェック
武勇魚専用はその名の通り、全ての魚料理に合います。
生酛、吟醸、原酒それぞれの要素が全ての魚料理の要素にマッチします。
綺麗な吟醸香を合わせてみる
フルーティーな吟醸香が蟹しゃぶの豊かな磯の風味とマッチします。カニの旨みと余韻を引き延ばすことができます。
→ ペアリング要素 同調効果、フレーバーの一体感
高級食品には高級な日本酒を合わせてみると良いかもしれません。
ワールドスタンダードである獺祭を合わせたいところです。間違いなく合います。最高です。
筆者脳内ペアリングおすすめSAKE
WINE ワイン 部門
ミネラルみのあるイタリアワイン
程よくミネラルみを感じるワインがカニ由来のミネラルと相乗効果をもたらします。甲殻類を食べる食文化があるイタリアのトスカーナ州のワインなんてバッチリです!
→ ペアリング要素 同調効果
また、酸が豊富でキリッと辛口の白ワインを合わせることで、繊細なカニの風味を活かします。
→ ペアリング要素 五味の一体感、テクスチャーの一体感
筆者脳内ペアリングおすすめSAKE
エレガントでミネラルみがあり高級感のある1本です。
蟹しゃぶにバッチリ合いますね。
プロヴァンスのロゼを合わせちゃう
しっとりぷりぷりの蟹しゃぶに滋味のある繊細で穏やかなロゼワインが面白いかもしれません。フランスのプロヴァンス地方は海風の影響でミネラルみが強いワインが造られます。
軽快な酸とイチゴのようなフレッシュなフレーバーがぷりぷりのカニを包み込みます。また、ロゼワインは見た目も華やかで視覚でもペアリングを楽しむことができます。
→ ペアリング要素 同調効果、五味の一体感、フレーバーの一体感
筆者脳内ペアリングおすすめSAKE
人数が集まる場でロゼワインが出てきたらカッコよくない!?
しかもそれが料理にぴったり合ったらモテまくり間違いなし。
本日のペアリング総評
第3回目は記念日や季節の節目に食べたいカニをお届けしました。焼きガニと蟹しゃぶの素材の要素が違うということがお分かりいただけたら幸いです。味覚要素が違えば合わせるお酒も違ってきます。ここがペアリングの面白いところ。
私的には 蟹しゃぶにロゼワインを合わせたら最強 という結論に至りました。
もちろんペアリングやマリアージュは無限大の可能性を秘めているので、これという正解はありません。今回の蟹しゃぶに焼酎を合わせるというのも、もちろん正解だと思います。
論理的なペアリングをするときに大切なのは、食事とドリンクの構成要素を捉える努力をすること です。私もまだまだ経験不足な一面があります。その分、つまみを作る時はペアリングを頭の中で考えるクセをつけています。
皆さんの脳内ペアリングの結果もお待ちしてます。それではまた次回の脳内ペアリングで!
【俺流結論】
蟹しゃぶパーティーにロゼワインをサーブしてモテたい。
ペアリングの基礎が学べる書籍
\この本はガチおすすめ/
レストランにすっかり定着したドリンクペアリング。スタッフの感覚やワインのストーリーに頼ったセレクトになりがちですが、「ロジック(=論理)で合わせる」ことを意識すると、より精度の高い組合せが可能になります。
本書ではペアリングの第一人者である著者が、五味を基本に、アルコール分やフレーバーなどドリンク特有の要素も加味して組み立てるペアリング方法を紹介。実際のレストラン営業を前提に、誰もが論理的に最適解にたどり着ける手法を、イラストも豊富にわかりやすく解説します。
柴田書店HPより