✅「手土産に日本酒を選びたいけど、ラベルに何が書いてあるかわからない…」
✅「選ぶ基準も違いもわからない…失敗したくないな…」
✅「帰省で持ち帰りたいけど味の好みがわからない….」
…etc 日本酒をなかなか選べないそこのあなた!
この記事ではそんな悩みを解決する最低限知っておきたいラベルの読み方を解説します。この記事を読めば自信を持って日本酒を選ぶことができるでしょう。
現役酒屋の私がお土産や自分用に買いたい日本酒の選び方を教えちゃうよ!
カトさん
SAKE商人
2025年に群馬県の酒屋に転勤予定。
東京の酒屋で提案営業活動。ペアリングをベースとした提案が得意。
J.S.A. ワインエキスパート
ワインと日本酒が好き
- 抑えておきたい最低限のポイントがわかる
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日本酒のラベルに書かれている呪文のような日本語…
日本酒を選ぶ際に抑えておきたい基礎ポイントを解説します。
→ もう怖くない!日本酒選びで大きく失敗しなくなる! - 現役酒屋から日本酒の基礎を学べる
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現役で日本酒を売っている私が日本酒選びの基礎を解説。
基礎的なラベルの見方や甘口辛口など、初心者でもわかる日本酒の基礎を解説。 - 日本酒をちょっと知った気分になれる
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ラベルがわかると日本酒選びが楽しくなります。
この記事を読んだらスーパーの日本酒売り場に駆け込みたくなるでしょう。
【初心者向け】日本酒選びの基礎ポイント
呪文のように書き連ねてある日本酒のラベル…
正直、日本人でも何が書かれているか理解できている人は少ないのではないでしょうか。
日本酒初心者がプレゼントや贈り物として日本酒を選ぶ際に知っておきたいラベルのポイントをまとめました。
まずここだけは意識して選びたいポイントなので、最低限抑えておきましょう!
4つのポイントを抑えれば日本酒選びで大失敗することがなくなります。
ここだけは抑えたいポイントを4つに絞りました。
ぜひ最後まで読んでみてください!きっと日本酒選びが楽しくなります。
精米歩合(予算が決まる)
まず抑えておきたい「精米歩合」とは、日本酒づくりの初歩段階「精米」において、原料となる米の不要な部分をどれだけ削っているかを意味します。削った後に残された割合を指します。
例えば「精米歩合40%」という表記は米を60%不要部位として削っているという意味になります。
基本的に米を削るほどフルーティーで華やかな味わいになります。手間がかかる分、お値段もあがります。
対して、精米歩合が高いと米本来の旨味や不要部に残る雑味が日本酒にコクをもたらします。
もちろん、精米歩合が低い大吟醸酒が一番美味しい(偉い)というわけではなく、料理やタイミングに合わせることが何よりも重要なのです。
プレゼントの予算を決める際にも「精米歩合」は良い指標になります。
精米歩合によって日本酒の呼び方が変わります。
「大吟醸」や「特別純米酒」など日本酒のラベルでよく見る表記は、精米歩合を指しています。
以下は精米歩合による日本酒の呼び方の違いを表した表です。
純米や醸造アルコールの使用で呼び方の違いはありますが、まずはコメの削り方によって呼び方に違いがあることを抑えていれば問題ないでしょう。
【精米歩合とは】
→ 日本酒づくりの初期段階「精米」でどれだけコメを削っているかの指標。
→ 「精米歩合〇〇%」とは 日本酒づくりのために〇〇%のコメを残しましたよという意味。
【精米歩合による違い】
⚪︎ コメを削るほど 華やかでフルーティーな酒になる。
⚪︎ コメを削るほど 手間がかかり価格が高くなる。
⚪︎ コメを残すほど コクや旨みが多い酒になる。
→ コメの削り具合で品質の優劣が決まるわけではない。
→大切なのはどのようなシチュエーションで日本酒を使うか!
日本酒度(辛口甘口が決まる)
日本酒のラベルに「+10」なんて表示を見たことはありませんか?(表示義務がないので全ての日本酒に記載があるわけではありませんが…)
実はラベルに±で表記されたものを日本酒度と呼びます。
基本的にプラスであればあるほど辛口のお酒でマイナスであればあるほど甘口のお酒になります。
やや化学的な話になりますが、日本酒度とは糖分とアルコールの比重関係を測定したものです。糖分は重く、アルコールは軽いという比重関係を利用したものが日本酒度です。
世間的に言われる辛口の酒とは「糖分が少ない酒」という意味です。「辛い」と言う表現がいまいちピンとこない人も多いでしょう。そんな時は「甘くない日本酒」と表現すると伝わりやすいです。水と比較して糖分が少ない日本酒は日本酒度がプラスになります。
実は日本酒度がプラスであれば辛口の酒なのね。
というわけにはいかない日本酒の世界。
我々の味覚はアミノ酸など酸度を複合的に感じ取り、結果的に甘く感じたり苦く感じたりします。だからペアリングは面白い。
日本酒の味わいは日本酒度と酸度を複合的に捉えることで味わいが決定します。
【日本酒度とは】
→ 糖分とアルコールの比重を利用した日本酒の甘辛指標
→ 基本的に日本酒度がプラスであるほど辛口(甘くない)お酒
※ 日本酒度はあくまで指標で、日本酒の味祝いは酸度などを考慮して複合的に決まる。
知っておきたい製法(生酛、山廃)
日本酒のラベルにたびたび出没する「生酛」「山廃」というワード。
独特な香りや味わいが特徴の造り方なので、日本酒選びに失敗したくない人は必ず抑えておきましょう。
実はペアリングが簡単な生酛・山廃は日本酒初心者でも楽しむことができます!
「生酛」「山廃」は日本酒の酒母造りの段階で用いる手法の名前です。
酒母造りとは日本酒の根本とも言える基礎を造る段階です。酒母の性格によって日本酒の味わいは大きく左右します。生酛と山廃の違いと製法は以下の通り。
「生酛造り」とは一言で言うと 自然の力を完全利用した昔ながらの造り方 です。
発酵のために乳酸菌を添加する現代とは異なり、昔は自然界に存在する乳酸菌を育てて日本酒を造っていました。乳酸菌を育てるためには他の菌の繁殖を抑え、乳酸菌がすくすくと育つ環境を維持する必要があります。環境を整えるためには「山卸」と呼ばれるコメをひたすらすり潰す作業が必要です。(これがウルトラギガンティック重労働)
「山廃造り」とは一言で言うと 生酛造りから山卸を廃止した造り方 です。
麹の働きにより超重労働の山卸をせずとも酒母が育ちやすい環境を作ることができるようになりました。技術の発達により、山卸の有無で酒母の成分に違いがないことが分かり山廃造りが広まります。
生酛づくりの派生が山廃造りと覚えておいて良いでしょう。
肝心な味わいは、
野生仕込みで非常にパワフルな日本酒が多いでしょう。
コクが多く、乳酸がしっかりしているので、肉料理など重たい料理にも合わせることができます。燗酒にもぴったりです。
【生酛造りとは?】
→ 昔ながらの手法で自然の菌を利用した醸造方法
→ パワフルでコクのある味わいが特徴
【山廃造りとは?】
→ 生酛同様昔ながらの造り方
→ 人力でコメをすり潰す「山卸」作業を廃止して麹の力によって酒母の生育環境を整える手法
生酛も山廃も濃厚でコクのある旨みたっぷりの日本酒に仕上がる!
アルコール度数(大失敗しなくなる)
実は日本酒のアルコール度数には幅があります。
スパークリング日本酒や原酒など日本酒を選ぶときに「アルコール度数」を意識すると大きな失敗がなくなります。
日本酒の一般的なアルコール度数は13%~16%ほどです。アルコール度数が変わる大きな要因は 日本酒を造る過程の違い です。
アルコール度数が高くなればなるほどアルコール感がキツく飲みにくい印象を持つでしょう。しかし、シーンやシチュエーション、料理を意識すると高アルコールが光る場面 が生まれます。アルコール度数の違いを意識してプレゼントできると素敵ですね!
要因① 発酵の進み具合による違い
日本酒の主な原料は 米、水、麹 です。
そしてアルコール発酵は麹が糖をアルコールと二酸化炭素に分解することで起こります。
つまり、麹や酵母が生きたまま活動する時間が長ければ長いほど、高アルコールの日本酒が作られやすくなります。熟成をさせた古酒はアルコール度数が高くなる傾向 があります。
アルコール度数が高い日本酒は 肉料理やコクのある鍋料理、アジア料理などに合わせましょう!
要因② 加水の有無
日本酒を造る過程で「加水(カスイ)」と呼ばれる作業工程があります。加水とは日本酒を仕込んだ後に水を加えることで、アルコール度数を調整し、品質を一定にする役割があります。
加水を行わない日本酒を 原酒 と呼びます。
原酒は水を加えていないため、アルコール度数が高い傾向があります。また、濃厚な味わいと力強い味わいが特徴なので、しっかりとした味わいがある料理と合わせると原酒の力が発揮されます。
日本酒選びの際に「原酒」という文字を見かけたら、基本的にはアルコール度数が高くしっかりとした味わいのものという認識で良いでしょう。
【アルコール度数を確認する】
⚪︎低アルコール日本酒(スパークリングなど)
→ 8〜12% フルーティで飲みやすい!
⚪︎伝統的な日本酒
→14〜16% 一般的なスタイル
⚪︎高アルコールレンジ
→16%〜 原酒や熟成酒 シーンや料理を選びたい玄人向け
【原酒とは?】
日本酒の製造過程で「加水」を行わないこと。
→ アルコール度数が高くなりしっかりコクのある味わいに
「原酒」や「熟成」という文字を見かけたら日本酒を知っている人にプレゼントすると良いかも?
料理と日本酒を合わせられる人におすすめ!
基本的な要素を抑えることで選ぶ幅が広がる
今回は日本酒初心者が日本酒を選ぶ際に抑えておきたいポイントを4つ解説しました。
基本的に今回紹介したポイントを抑えれば日本酒選びで大きく失敗することはないでしょう。
さらに今回の記事が日本酒選びが楽しくなるきっかけにもなればと思います。ぜひどんどん日本酒の世界に挑戦して行ってもらいたいものです。
日本酒のラベルで意識したい4つのポイント
- 精米歩合
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原料となるコメをどれだけ削っているか。
大吟醸や吟醸酒、純米酒など。
→ 大体の予算と味わいが決まる。 - 日本酒度
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アルコールと糖分の比重。
→ 基本は日本酒度がプラスに行くほど辛口の酒 - 生酛、山廃
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コクや独特な香りが楽しめる製法。
→ 昔ながらの製法でワイルドな味わいになる - アルコール度数
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度数が高いほど料理との相性を考えるべき。
→原酒や熟成酒は日本酒玄人向け